3.15.2009

金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント(筑摩書房)

「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント(ロバート・キヨサキ著 白根美保子訳 筑摩書房)」は、金持ち父さんシリーズの第二作目だ。最近、子どもができた友人に、子どもができたことによって何か変わったかを質問した。するとお金について真剣に考えるようになったと答えが返ってきた。本シリーズはお金について考える最良の参考書だと思う。

金持ち父さんはよくこう言っていた。「一日の時間は限られている。そのあいだ必死で働いたってたかがしれている。それなら、なぜお金のためにそんなにあくせく働くのだ?お金やほかの人を自分のために働かせる方法を学べば、自分はもっと大事なことができる」金持ち父さんの言うこととは次のようなものだった。
1.幼い子ども達とともに多くの時間を過ごすこと。
2.慈善事業など自分が支援したいプロジェクトに寄付するためのお金を持っていること。
3.他人のために仕事を作り出し、社会の経済的安定に貢献すること。
4.健康を維持するためのお金と時間を持っていること。
5.家族とともに世界中を旅行できること。
「こういったことをするにはお金が必要だ。私にとってお金が大切な理由はここにある。お金は大事だ。だが、私はそのために働いて一生を過ごすのはいやだ」金持ち父さんはいつもそう言っていた。
(23-24P)

私たちはみんな、四つのクワドラントのうち少なくとも一つに属するかは、お金がどこに入ってくるかによって決まる。
従業員(E)…給料が主な収入源
自営業者(S)
↑上の二つはクワドラントの左側に来る。
ビジネスオーナー(B)
投資家(I)
↑上の二つはクワドラントの右側に来る。右側にいるのは、自分が所有するビジネスや投資から収入を得ている人たちだ。
四つのクワドラントのどこに属していても経済的に自由になることは可能だが、ビジネスオーナー(B)あるいは投資家(I)が持つ技術を使えば、もっと早くゴールに到達することができる。Eとして成功している人も、Iとして成功する可能性は充分ある。
(8P)

「私たちはみんな同じ人間だけれども、お金とそれにともなう感情に対する反応の仕方が違う。どのクワドラントから収入を得るかを選ぶときには、こういった感情に対する反応の仕方が大きな影響を与える」
「どのクワドラントでもいい、もしきみがそこで成功したいと思ったら、単に必要な技術を持っているだけではだめだ。人間がそれぞれに異なるクワドラントを選ぶ理由となる本質的な違いについて知らなくてはいけない。それを知れば、人生はずっと楽になる」
「だれだって変われる。だが、クワドラントを変えるのは会社や職業を変えるのとはわけが違う。自分の本質、考え方、世の中に対する見方を変えなければならないこともよくある。こういった変化を受け入れられるかどうかは人によっては違う。世の中には変化を歓迎する人もいるし、それに抵抗する人もいるからだ。変わるのはきみだけじゃない。友達も変わる。この変化はとても大きな変化だ。だからそうしようとする人が少ないんだ」
(32-33P)

自分の経済状態を決める道はいくつかあるが、残念ながら、いまでも仕事の安定を求める道を選ぶ人は多い。こういう人は経済が不安定になってくると、なおいっそう仕事の安定を求める。そして、結局は一生そのまま過ごすことになる。
実際のところ、あなたのボスの仕事はあなたを金持ちにすることではない。ボスの仕事はあなたがきちんと給料をもらえるようにすることだ。あなたを金持ちにするのは「あなたの仕事」だ。この仕事はあなたが給料を受け取った瞬間に始まる。お金の管理がうまくできない人は、世界中のお金が手に入ったとしても救われない。反対に、賢いお金の運用計画を立て、BあるいはIのクワドラントについてしっかり学べば、大きな富、それと、一番大切な「自由」を手に入れるための第一歩を踏み出せる。
「金持ちと貧乏人の唯一の違いは、暇な時間に何をするかだ」
金持ち父さんは私にいつもこう言っていた。
仕事が終わってから、給料と余暇を使って何をするかがあなたの将来を決める。キャッシュフロー・クワドラントの左側だけで一生懸命働いている人は、いつまでもそれを続けることになるが、右側で一生懸命働いている人には、自由を見つけるチャンスが与えられる。
「十分なお金と時間がない場合は、まずBクワドラントに行く道の方が安全ですよ」
そう考える理由を簡単にまとめると次のようになる。
1.経験と教育
しっかりしたビジネス感覚が養われれば、よりよい投資家になれる。なぜなら、よいビジネスを見分ける力もつくからだ。真の投資家はしっかりしたビジネスシステムを持った、成功しているビジネスに投資する。システムと製品との区別も知らないようなEやSに投資するのはリスクが大きすぎる。リーダーシップにかけるEやSに投資するのも同じことだ。
2.キャッシュフロー
ビジネスを自分で立ち上げ、それをうまく軌道に乗せれば、変化に富んだIクワドラントで生き延びるために必要な時間とキャッシュフローを確保できる。