◆「ブラック企業レベル」について
低⇒ハードワークでその割に低賃金。福利厚生が未整備。上司が厳しく、たまに理不尽なことをいう。(日本の企業のほとんどがここに該当するかもしれない??)ただし、社員に報いる姿勢がある会社なら心配いりません。中⇒同じようなハードさ、理不尽さであっても、「社員に報いようとする姿勢」がないとなると、ブラック度は「中」に上昇します。この領域に属する企業を見抜くポイントとしては、このような会社でよく聞かれる「給料を払ってやっている」「ハードワークで当たり前」という開き直ったニュアンスのセリフです。
高⇒このエリアの企業に共通しているのは「社員は使い捨てのコマ」「客は金ヅル」「コマと金ヅルは使いよう」というような、モラルも社会性も存在しない悪徳マインドであると言えるでしょう。
◆なぜ、「働いても報われない」のに社員は辞めないのか。社員が辞めない理由
①何らかのメリットがあるから辞められない・厳しい労働環境だが、給料は良い
・給料は安いが、残業はない
・厳しい環境で給料も安いが、専門的なスキルがつく
・条件は厳しいが、趣味の領域である/やりがいがある
・ワンマン社長だが、その社長にかわいがられている
⇒同じ環境であっても、本人の受け取り方や解釈は違う。結局大事なのは、その企業が「自分にとって」ブラック企業かどうか、というところに尽きる、といえるかもしれません。
②辞めたいのにやめられない
③自分自身の責任と感じて辞められない
◆ブラック企業に入ってしまう理由
①そもそも調べていない②良識的な判断がアダになる
自分に自信を持っている人であったり、優秀な人ほど陥りやすいポイント。
③妥協してしまう
特に、景況感が悪化しているタイミングで発生しやすいパターン
◆「会社に不満を感じないための」労働者側の心得
・会社に対して求めるものが明確である・それに対して覚悟ができている
この覚悟がないことによるミスマッチは少なくない
◆「会社に不満を感じさせないための」会社側の心得
・きちんと情報公開している具体的にいうと、週あたりの残業は25時間を超えるぐらいだ→大変だけど、その分成長できるし、こんなメリットがある→そのメリットは具体的に社会のこのような場面で役立つものである
・できる上司・先輩が存在している
ポイントは残業の有無ではなく、社員に報いる姿勢があるかどうか
◆求人情報で会社の本質を見抜く
・(新卒のみ)全体の社員数に対して求人数が多い⇒退職者が多い可能性があります・(中途のみ)求人広告を長期間にわたって掲載している⇒同上の理由
・(中途のみ)ハードルの低さが強調されている⇒人の集まらない会社、もしくはそのような仕事内容である可能性が高い
・給与が異常に安い
・給与が異常に高い⇒ハードワークか、高い歩合給が設定されている可能性が高い
・仕事内容があいまい、よくわからない⇒人気がない、もしくは後ろめたい仕事であることを隠している可能性がある
・細かいところで「条件付」である⇒一見メリットが大きいようで、実際は会社都合に左右される可能性が高い
例:「研修はOJT中心」「一定条件のもとで希望部署に配属」「月収100万円可能」「最低基本給25万円保障」「随時昇給」「年棒制」「ノルマなし」「残業代支給」
・必要以上に「社風の良さ」が強調されている⇒それ以外にアピールできる要素がない可能性が高い
◆インターネットで会社の本質を見抜く
・企業のホームページが稚拙である⇒社員の能力レベルが低い可能性がある・ネット上でブラック企業の噂が立っている⇒不満を持った社員が多くいる可能性がある
・頻繁に業務内容や社名が変わっている
◆会社説明会、セミナーで会社の本質を見抜く
・人事担当者や社員の印象が良くない⇒社内に様々な問題を抱えている可能性が高い・参加者の扱いが丁寧ではない⇒そこに集まる学生も、いずれは何らかの形でお客様になるかもしれないのに、そのような配慮さえもないということは、実際の顧客にも配慮がない表れであるといえる
・高飛車、威圧的な印象
・社員が疲れている印象
・選考に進むことを強要される
・あいまいな表現をする
◆会社訪問で会社の本質を見抜く
・メールや電話での案内が不親切・受付やオフィス、トイレが汚い
・標語やスローガン、棒グラフが所狭しと張られている
・社長室がやたら豪華
・デスクでランチをとっている人が大勢いる
・社員の印象が悪い/違和感がある
◆次のような状態に陥っている人がいる
・「世間的な価値観」や「周囲の評判」といった要素を基に「合っている」「こうでなければならない」などと思いこんでしまっている。・「理想の会社」をイメージするあまり、その裏返しになっている「厳しい現実」を見ないままになってしまっている。
・会社の不満や粗さがしは得意だけれども、「自分は何をしたいのか?」「今の環境を活かして何ができるか?」を考えたことがない。
◆正しい知識を仕入れる情報収集術
【レベル1】「受動的な情報源」だけでは不十分・求人情報誌、求人サイト
・個別企業のホームページ
・会社パンフレット、説明資料
・会社説明会やセミナーでのプレゼンテーション
・その場に来ていた社員の印象
・インターネット上の口コミサイト、掲示板
【レベル2】最低、これくらいの「能動的な情報源」にはあたっておきたい
・会社説明会やセミナーで社員と直接話し、個別に質問する
・OB・OG訪問
・ビジネス誌に取り上げられた記事をチェックする
・会社四季報、IR資料など投資家向けの情報を読み込む
・業界専門書/Webサイトなどを読み込む
・その会社が属している業界団体のサイトを確認する
・実際にユーザーとして商品を購入したり、サービスを受けてみる
【レベル3】できれば、これくらいの「積極的な情報源」も確保したい
・その会社を辞めた人に本音の話を聞く
・その会社のライバル企業の社員に本音の話を聞く
・その会社と利害関係のない、外部のコンサルタントから意見をきく
・その会社が転職サイトに載せている情報をチェックする(新卒向け)⇒どんな職種を募集しているかで、その会社が弱いところ、もしくはこれからの注力分野がわかる可能性がある
・帝国データバンク、東京商工リサーチ、ロイターなどの投資家、専門家向け有料情報を見る⇒専門的な投資分析資料は、客観的な視点からその会社の強みや弱み、将来性などが解説されており、実態をつかみやすい