その保険の本質を考えたら、難しいと思われる生命保険が少し理解できるかもしれない。
生命保険の最大のメリットは、少ない掛け金で大きな保障を得られることだ。
その意味で、定期保険がまさにそれである。
デメリットは途中解約すると大きく元本を割る可能性があることだ。
よって、生命保険に加入する時は、常にローコストを意識したい。
今回は、保険種類別に必要度の高さをAからDまでランク付けしてみた。
必要度(検討度合)が高い A > B > C > D 必要度(検討度合)が低い
独身(20代・30代)
~希望のキャリアプラン・ライフプランの実現のために~
預貯金等 A
定期保険 D
がん保険 C
医療保険 C
終身保険 D
学資保険 -
介護保険 D
年金保険 D
既婚者(子が独立する前)
~教育費・住宅費にお金がかかる時期~
預貯金等 A
定期保険 A~B→生命保険(死亡保障)について考える
がん保険 B~C→がん保険について考える
医療保険 B~C→医療保険について考える
終身保険 D
学資保険 C→教育資金の作り方について考える
介護保険 D
年金保険 D
既婚者(子が独立した後・子どもがいない)
~老後に向けて健康に留意し備える時期~
預貯金等 A
定期保険 C
がん保険 B~C
医療保険 B~C
終身保険 C~D
学資保険 -
介護保険 D→介護保険を考える
年金保険 C~D→年金保険、確定拠出年金を考える
老後
~趣味など、充実した毎日を送る~
預貯金等 B~C
定期保険 ×
がん保険 C~D
医療保険 C~D
終身保険 C~D→相続税対策を考える
学資保険 ×
介護保険 D
年金保険 ×
<フローチャート式に考えると>
何のために生命保険加入を検討するのか?
①死亡のリスク
→掛捨ての保険が優先、
すなわち解約返戻金なしの定期保険(収入保障保険含む)
②病気・がんのリスク
→がん保険(喫煙者やガン家系の方、生活習慣に不安のある方は、検討すべき商品。
100万円単位の預貯金ができるまでのつなぎとして検討)
→医療保険(10万円単位の預貯金ができるまでのつなぎとして検討)
③貯蓄(教育資金)
→学資保険を検討。1年あたりの年利を保険商品ごとに計算し比較する。
終身保険の利用は早期解約の元本割れリスクが大きいか。
④貯蓄・長生きリスク(老後資金)
→生命保険よりも確定拠出年金での運用を優先に考える。
個人年金保険や変額年金保険などの貯蓄型生命保険は
魅力的な商品とは言い難い。
⑤貯蓄(上記以外の目的)→節税メリットがなければ、
貯蓄型生命保険での運用は投資信託等に比べて不利。
⑥節税(年末調整)
→このために生命保険に加入するのは、
ポイント欲しさに商品を購入するのと同じでお勧めしない。
⑦節税(相続税)
→取扱いをしていない保険会社が多いが一時払い終身保険がある。
通常の終身保険でもよい。ただし、相続税の節税対策は他にもある。
⑧介護のリスク
→介護保険の検討。基本不要。
(備考)
・給与所得者よりも自営業の方が保険の必要性は一般的に高くなる。
・貯蓄目的の保険は、生命保険料控除枠を使い切っていれば、なかなかメリットを見出しにくい。
・貯蓄目的であれば、「老後資金の作り方を考える」のページもご参照ください。
・終身保険で貯蓄を考える場合は、定期保険+投資信託(ETFなど)と比較を考えるとよい。
・生命保険の加入方法で参考になるサイト→おっさんの生命保険加入法
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記事最終校正日:2016年7月31日