3.27.2011

【子ども】子どもの才能は3歳、7歳、10歳で決まる!(幻冬舎新書)

「子どもの才能は3歳、7歳、10歳で決まる!(林 成之著、幻冬舎新書)」は、親が子どもにどう接すればよいか、具体例を踏まえて、分かりやすく説明されている。それは、子どもに知識をつめこむことではなく、ポジティブな考え方をする習慣をつけさせることなのだが、非常に面白かったので、一部、紹介したい。

≪年齢を問わず基本となる方法≫
1:物事に興味を持ち、好きになる力をつける
脳医学的には、暗い性格ではスポーツでも勉強でももてる力を十分に発揮することはできません。
もう一つ大切なのは、学校の先生など、指導者を好きになること。先生を嫌いになると、その先生が教える教科も嫌いになります。
2:人の話を感動して聞く
3:損得を抜きにして全力投球する素直な性格を育む
損得を持ち込んで「頑張らなくていいや」と考えれば、脳はパフォーマンスを十分に発揮できません。物事に対して常に手を抜かず、全力で取り組むことは、脳が持つ力を最大限に発揮するための習慣なのです。
4:「無理」「大変」「できない」など否定的なことを言わない
「無理だ」「できない」と考えると脳が情報にマイナスのレッテルをはってしまうので、思考力や記憶力はダウンします。いつも否定的に物事をとらえていると、本当はできることも失敗したり、必要以上に時間がかかったりといった結果をまねいてしまうのです。
5:目標に向かって一気に駆け上がる
「コツコツ努力しよう」ではない
6:「だいたいわかった」などと物事を中途半端にしない
7:重要なことは復習し、繰り返し考える
8:自分のミスや失敗を認める
9:人を尊敬する力をつける
大切なのが、親自身が他人を尊敬する力を身につけることです。もし身近にいる大人がいつも誰かを見下したりバカにしたりしていれば、子どもも人を尊敬できなくなってしまうでしょう。社会の中で活躍し、充実した人生を送っていくためには、「心をこめて話すこと」「相手の立場に立って考えること」「人を尊敬すること」などがベースとなります。
10:類似問題で判断力を磨く
「微妙な違いを判断する力」なくしては、新たな発見や独創的な思考を生み出すことはできないのです。
(52~65P)

≪0~3歳は本能を徹底的に磨く≫
1:明るい表情を見せ、愛情を十分に注ぐ。
2:失敗を認め、よくほめる
3歳までは失敗を叱るのはNGです。幼いころにしょっちゅう叱られて育つと、子どもの脳は自己保存の本能が過剰反応しやすくなります。「失敗すると怒られるから、失敗しないようにしよう」と新しいことに挑戦する気持ちを失ったり、「失敗したことを隠そう」と過ちを認めない子どもになったりと、よいことは一つもありません。
3:真剣に競争する
4:自分の足で歩かせる
5:やっていることを止めない
脳が「興味を持つことはよいことだ」「好きになることはすばらしいことだ」と感じられるよう、子どもの興味・関心を止めてしまわないことが大切です。
6:すぐに手助けしない
7:興味を持ったことを応援する
8:子どもの目線で一緒に遊ぶ
9:話に共感しながら最後まで聞く
10:いつも楽しんでコミュニケーションする
まだ言葉がわからない段階でも、明るい声や笑い声を聞かせ、笑顔を見せてコミュニケーションしましょう。愛情を込め、目を見つめてこまめに話しかけると、人と前向きにコミュニケーションできる素地ができます。
(75~84P)

≪3~7歳は脳の土台をしっかりつくる≫
悪い習慣1:物事に興味を持てない、感動しない
悪い習慣2:無理、できない、大変など否定的な言葉を使う
悪い習慣3:よく「後でやるよ」と言う
悪い習慣4:集中できず、途中で違うことを考える
悪い習慣5:だいたいできたところでやめる
悪い習慣6:人の話を聞き流す
悪い習慣7:人をバカにする、尊敬できない
子どもの前で、「あんな子に負けちゃダメよ」「あの先生はダメね、ちっとも成績を上げてくれないじゃない!」などと、人を見下したりバカにしたりするような発言をしていないでしょうか。親が他人をバカにすれば、子どもも他人をバカにするようになります。
悪い習慣8:学んだことを確認しない
悪い習慣9:自分が失敗したことを素直に言えない
悪い習慣10:損得を考えて手を抜く

これらの習慣を3~7歳でしっかりやめることができれば、親は今後「勉強しなさい」などと言う必要はないでしょう。子供は自分で興味の範囲を広げながら、進んで学び、脳の機能をしっかり活かして勉強の成果を出していくことができます。逆に、これらの習慣が残ったまま
勉強しなさい、努力しなさい」とガミガミ言っても、子どもの脳が持てるパフォーマンスを発揮することはありません。
(104~119P)

≪3~7歳の子供に父親が果たすべき役割とは≫
両親がそろって厳しく叱ると、子供は逃げ場がないと感じ、叱られることを極度に恐れるようになってしまいます。その結果、嘘をついたり、挑戦するのを嫌がったりすることもあります。そこで、叱るのはお母さんに任せ、お父さんは子どものフォローにあたる役割を担うのがよいと思います。
(122P)

≪7~10歳以降は自主的に勉強させる≫
子どもの脳は7歳ごろにほぼ大人と同じ状態になります。7歳以降は本格的に学習に励んでよい時期です。ただし、大人が気をつけてはならないことは、子どもに絶対に「勉強しなさい!」と言わないことです。ポイントは、「子どもの自尊心を刺激すること」。たとえば、子どもが頑張ったら「すごいね」「こんな勉強のしかたはあなたしかできないね」と頑張ったことに胸を張れるような言葉をかけましょう。
(144~148P)

≪10歳以降の子どもに父親がすべきこと≫
10歳以降の子どもに対してお父さんが果たすべき一番大事な役割は、「背中を見せて、一緒に夢を語ること」。いつも身近にいて、時には細かいことまで叱らなければならないお母さんは、子どもと一緒に大きな夢を語るのにはあまり向きません。やはりここはお父さんの出番と言えます。特に小学校高学年や中学生くらいになったら、お父さんは意識して自分の経験談を話し聞かせ、子どもに夢を語らせてください
(157P)